2010年2月22日月曜日

トドメを刺された「朝日のあたる家」アニマルズ&ベンチャーズ&ちあきなおみ

課題曲:朝日のあたる家 作詞作曲:不詳 1930年代アメリカ

さて、今回取り上げるのは「朝日のあたる家」 当時は、この曲のような作者不詳のアメリカントラディショナルフォークが多く生まれている。曲の始まりから終わりまで、Am~C~D~F~Am~E~Amのコード進行が続き、そこに歌詞が乗る。原曲の詩には幾通りもの解釈があって、とても難しい。男性が主体、女性が主体のそれぞれのバージョンが有り、男性の場合は牢屋。女性の場合は女郎屋に行き着いた人生を振り返り、朝日のあたる家で暮らす身内に、「こんな惨めな人生は送るんじゃないよ」と言っとくれ。って感じの、なんともやるせない曲。全世界でヒットし、未だに歌い継がれている名曲だ。

時代の変遷とともにアニマルズ、ベンチャーズ、ちあきなおみの順でどうぞ!


まずはアニマルズ。1964年リリース。

原曲では女性が主体の歌詞を男性にチャンジして歌っているらしい。つまり女郎屋を刑務所に見立て、詩の流れは同じ、主体は男性・・・と。メロディーだけは、なんども聞いたことがあったこの曲が、こんな詩だったとはずっと知らなかったわけで、音楽の奥を少し覗いたような複雑な気分。そういえば、ビートルズの「フールオンザヒル」って曲も、その美しいメロディーとは裏腹に、「丘の上の阿呆」ってタイトルなんですよね。



次は、ボーカルなしのベンチャーズ 1968年リリース

世界の音楽アーティストにとって決して避けて通ることのできない存在が「ビートルズ」。日本においては、最初にエレキギターを運んできたこの「ベンチャーズ」も音楽業界に多大な影響力を与えた存在といっていいだろう。多くのアーティストが多かれ少なかれ影響を受け、次代のアーティストに受け継がれている。この演奏も「素晴らしい」の一言。



最後は神がかり的な表現力で歌う「ちあきなおみ」さん。

過去にも述べたように、「ちあきなおみ」の実力には懐疑的であった私が、「黄昏のビギン」でその考えを改め、さらにある人から「朝日のあたる家」を聴いてみろ!と言われ、実行。・・・トドメを刺されました。いやぁマジで。「こんな歌い方誰も真似できない」と素直に思います。もうここまでくると、歌とかそういう世界を遥かに超越して、まるで幻想世界に引き込まれていくような魔力を感じます。

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