2010年2月12日金曜日

女王美空ひばりに挑む3人+α

課題曲:愛燦燦 作詞作曲:小椋佳

いよいよ歴史的名曲「愛燦燦」の登場です。いやーこの名曲、ちゃんと歌いこなすのは相当難しい様子。それぞれの歌い手の個性がもろに出ていてとても面白いです。石川さゆり、坂本冬美、森昌子、神がかり的な美空ひばりのモノマネで有名な青木隆治、最後に大御所美空ひばりという順で聴き比べてください。

まさに東大卒銀行マン「小椋佳」渾身の歴史的名曲です!



スタートは珍しく洋装の石川さゆりさん。

歌いだしで、…ん?と思った人はこの歌をよく知っていらっしゃる方です。なにか物足らない感じなんです。これはきっと「力まない高音の伸び」が足らないんだと思います。さゆり姉さんが得意としている高音は、「能登半島」の出だし夜明け間近北の海は波も荒く~♪とか、「越冬つばめ」のヒュールリーヒュールリーララー♪とか力んだ時の高音。本当に凄く綺麗な声が出ます。この歌を歌い終わったときの「やっと歌い終わったって表情」が、彼女の苦手分野を象徴しているように見えます。



お次は、着物がとっても良く似合う坂本冬美さん。

彼女の音域の広さ、特に力まない高音の伸びはさすがです。どんな歌もそつなく、丁寧に、そして上手に歌う姿は立派です。でも!でもでも…、やっぱり何か物足らない。何が物足らないって美空ひばりに比べて何かが足らない。そうなんです。足らないのはなんていうか説得力!この歌が伝えようとしている「人生」「愛」「生きる力」そんなところがちょっとしか伝わってこない。言い方を変えよう。ちょっとだけ伝わってくる。私は彼女のファンです。


お次は、すっかり復活した森昌子さん2010バージョン!

永遠の歌姫森昌子さんも往年の美声を望むのは酷か?・・・そんな心配も一瞬の杞憂。さすが往年の美空ひばりに愛娘のように可愛がられていた森昌子です。この歌を歌う時の表情は、彼女が見本ですね。人生っていろいろあるけど捨てたもんじゃないよね!って、そんな表情で歌うことができれば、少々音程がずれていても感動します。



次は、初めて見る人はきっとビックリするでしょうね。神の領域青木隆治さんです!

これはもう何ていうか本当に凄い!美空ひばりの息子さんが絶賛しただけのことはあります。まさに神の領域のモノマネですね。男ですよ男。彼は、ほかにもレパートリーが沢山あって、渡辺真知子の「かもめが翔んだ日」なんか歌わせてもマジで凄いですよ。目を閉じて聴いてみるとわかりますが、往年の美空ひばりがフラッシュバックしますよ。



最後を飾るのはもちろん美空ひばりさんです。

何も言うことないですね。低音も高音も伸びは抜群。歌の上手さも抜群。表情も説得力も抜群。「雨、潸々と、この身に落ちて」って歌いだしのワンフレーズで他の歌手を圧倒しちゃってます。思わずうんうん頷(うなず)きながら聴いてしまう。ひばりさんの歌には、何かを語りかけてくる不思議な力があって、自然に勇気と元気をもらえます。

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